はじめに
「対話によるMMV浸透」のような取り組みは、制度や方針があっても現場に届ききらないところから生まれるモヤモヤを、減らしていくのに効きやすい一手です。
忙しさが続くほど周知物を読む時間が取れず、誤解や遠慮が残りやすい場面があります。
当事者同士が同じ前提で話せる材料を揃えることが、定着の土台になります。
コンセプト
「会社の求める人財像の価値基準」と自分が大切にしている価値観を、一方的に説明されるのではなく、自分の言葉で統合していく。
プログラムの作り方
研修テーマを上記の統合に据える。
また、対話中心にする。
さらに、椅子を円形にする、グループは部署が重ならないようにするなど、場づくりで心理的安全性を高める。
うまくいかせるコツ
安全に発言できるルール(否定しない・守秘・全員ではない参加型も可)を冒頭で共有すると深い話になりやすいです。
議事の共有範囲(全体共有/要約のみ)を決め、次のアクション担当を一人置くと「良い話で終わり」を防ぎやすいです。
トップの言葉だけでなく、現場の具体行動例を同じ回に載せると抽象度のギャップが縮まります。
チャネルが複数あるほど、同じ核心メッセージを短く繰り返した方が誤解が減ります。
起きやすい変化
会社の理念・価値観を、自分の言葉で仲間と話す経験が持てる。
また、部署や背景の違うメンバーと話すことで、会社の方向と自分の価値観が重なる部分が見つかりやすい。
さらに、方針を他人事ではなく自分事として捉え、日々の仕事に意味と自信を持ちやすくなる。
ファシリテーションのコツ
正解を急がず、「自分は何を大切にしたいか」を言語化する時間を厚めに取ると効果が出やすいです。
効果を見る目安
相談件数・会議での言及・チャンネルの活動量など、行動のシグナルを一つ選び、定点で観察すると変化が見えやすいです。
自分の言葉での説明や「日々の業務とのつながり」が具体例つきで語れるかを、1on1や小グループでサンプル聴取すると定着度が見えます。
評価面談の質(根拠の説明・次期目標の合意)や、キャリブレーション後の納得感を短いアンケートで追うと改善サイクルに繋がります。
企業事例
株式会社ファイントゥデイでは、設立間もない組織でパーパス(企業の存在意義)の認知度が低いという課題に対し、全社員に浸透させるための研修を実施しました。
対話中心のプログラムで、会社の価値観と個人の価値観の統合を図った結果、エンゲージメントサーベイの「パーパス、バリュー、リーダーシップビヘイビアの浸透度」が43%から50%弱まで向上し、管理職が自らの言葉でバリューを語るなどの前向きな変化が生まれました。