Willoopのエンゲージメントサーベイで「自分事化」のスコアが低いとき、組織では「仕事は指示されたことをこなすもの」という感覚が根付いています。受け身の部下が抱えているのは「やる気がない」ことではなく、「自分なりの意味をまだ見つけていない」ことである場合がほとんどです。1on1での「問い」が、その意味を引き出します。
こんな悩みを解決できます
部下が受け身で言われたことしかやらない。1on1はやっているが進捗確認で終わってしまい、部下の内発的な動機に触れられていない——そんな組織に有効な施策です。
こんなサーベイ結果の時に効果的です
Willoopのサーベイにおいて、以下の設問のスコアが低い組織に特に推奨されます。
- 「業務について自分の意思で「やりたい」という気持ちの方が、役割として「やるべき」という感情より強い」(自分事化)
- 「この仕事を通じて、自分の存在が誰かの役に立っていると感じる」(存在意義)
- 「仕事をしていると、あっという間に時間が過ぎることが多い」(熱心)
- 「自分の仕事の目的や内容を十分に理解し、その意義に納得している」(理解・納得)
- 「一日の終わりに「今日やってよかった」と思うことが多い」(やりがい)
「やらされている感」の強い社員は、これら4つのスコアが全般的に低くなります。1on1での問いかけは、その根本にアプローチする施策です。
具体的な実行施策
- 動機にフォーカスした問いかけ — 「今までやってみて楽しくできたのはどんなこと?」など、業務進捗ではなく「仕事の何が楽しいか」を尋ね、本人が自分の動機に気づくきっかけをつくる
- 興味と業務の接続 — 本人が楽しいと感じる要素を現在の仕事の中で活かせる具体的なやり方を一緒に考え、「それならこんなことをやってみたらどうか」と提案する
- 「なぜ?」を重ねる深掘り — 「なぜそう思う?」という問いかけを繰り返し、自分の言葉で仕事に対する考えを言語化させる。言語化のプロセスが自分なりの意味づけを生み、主体的行動の起点になる
- ジョブ・クラフティングの導入支援 — 仕事の進め方・範囲・人との関わり方・仕事の意義の捉え方を自分なりに工夫する「クラフティング」を組織として奨励する
- クラフティングの共有ワークショップ — 小グループで「自分の仕事をどう工夫しているか」を共有し、「仕事は変えていい」という組織としての許可を伝える
施策の優先順位の目安
すべてを実施する必要はありません。自組織の状況・予算感に合わせて、取り組みやすいものから選んでください。
- 動機にフォーカスした問いかけ — 明日の1on1から質問を一つ変えるだけで始められる
- 興味と業務の接続 — 業務設計の見直しと上司・HR連携が必要
- 「なぜ?」を重ねる深掘り — 継続的なコーチングスキル習得と実践の場が必要
- ジョブ・クラフティングの導入支援 — 制度化とHRによる継続支援の仕組みが必要
- クラフティングの共有ワークショップ — 外部ファシリテーターと参加設計が必要
期待できる効果
1on1での「問い」が変わると、部下の言語化のプロセスが始まります。「答えを与える」のではなく「問いを投げかける」——それがマネージャーの役割の核心です。150万回を超える1on1データの分析でも、「自分の言葉で語らせる」対話が若手の行動変容に最も有効なアプローチの一つとして示されています。
セルフチェックリスト
自組織に当てはまるものがあれば、この施策を検討してみてください。
- 1on1が毎回「業務の進捗確認」で終わっている
- 部下が「なぜこの仕事をしているのか」を自分の言葉で語れない
- 若手の仕事への向き合い方が入社当初から変わっていない
- 社員が「仕事のやり方を自分で変えていい」とは思っていない
- 指示通りにこなすだけで、工夫や改善提案をしない社員が多い
- 「自分の得意なことが仕事で活かせていない」という感覚を持つ社員がいる
- 「もっとやる気を持ってほしい」と思っているが、どう働きかければいいかわからない
企業事例
ある通信系企業の部長は「とにかく部下の言葉で言語化させる」ことがマネジメントのコツと語っており、自分の言葉で仕事について語ることで主体的な行動を引き出せるという実践が報告されています。
ジョブ・クラフティングの本質を体現した事例として、ディズニーランドの掃除担当スタッフが得意な絵を活かして地面に水でミッキーマウスを描き、ゲストを喜ばせることで仕事の価値を自ら見出した例があります。「与えられた役割の範囲内で自分らしい付加価値を生み出す」——このクラフティングの考え方は、1on1での問いかけと組み合わせることで、社員の内発的動機づけを引き出す強力なアプローチになります。