Willoopのエンゲージメントサーベイで「自分事化」のスコアが低い組織では、「数字や経営の話は自分には関係ない」という壁が生まれています。管理会計の情報が一部の役職者にしか共有されない環境では、社員は「自分が会社を動かしている」という感覚を持ちにくくなります。情報を全員で見て、計画を全員でつくることが、当事者意識の起点になります。
こんな悩みを解決できます
会社の経営状況や計画は経営層・管理職だけが把握している。一般社員は「自分には関係ない」「決まったら教えてもらえる」という受け身の姿勢になっており、組織の目標を自分ごとにできていない。
こんなサーベイ結果の時に効果的です
Willoopのサーベイにおいて、以下の設問のスコアが低い組織に特に推奨されます。
- 「業務について自分の意思で『やりたい』という気持ちの方が、役割として『やるべき』という感情より強い」(自分事化)
- 「自分の仕事の目的や内容を十分に理解し、その意義に納得している」(理解・納得)
- 「公平な評価制度や処遇の透明性があると思う」(公平さ・透明性)
「経営の数字を自分が知らなくていい」という状態は、自分事化と理解・納得のスコアを同時に押し下げます。情報の共有が当事者意識の起点になります。
具体的な実行施策
- 管理会計の情報を全社に共有する — 売上・コスト・利益の状況を、一般社員も含む全員が見られるようにする。透明性が高い組織では「自分の仕事がどの数字に影響しているか」を実感しやすくなる
- 全従業員が参加して事業計画を作成する — 各部門・各チームが計画の一部を担い、全員の計画が積み上がって会社全体の計画になる仕組みをつくる
- アイデア投稿制度を設ける — 全従業員が自由にアイデアを投稿できる社内制度。経営陣が迅速に返信し、優れたアイデアを事業化・製品化するプロセスを設けることで「自分の声が会社を動かす」経験を積める
- OKRによる目標のツリー可視化 — 全社・部門・個人の目標をツリーで見える化し、「自分の仕事が全社目標のどこに効いているか」を誰でも確認できるようにする
- 全社ディスカッションの場を定期設定する — 会社の課題や事業方針について社員が直接発言・質問できる場(全社Q&A・AMAセッション等)を設ける
- オープン社内報の配信 — 社外にも公開する形で他部署の活動・プロジェクト・経営層インタビューを発信し、部署を超えた相互理解と当事者感を生む
施策の優先順位の目安
すべてを実施する必要はありません。自組織の状況・予算感に合わせて、取り組みやすいものから選んでください。
- 管理会計の情報を全社に共有する — 既存の会計データをスライドにまとめるだけで始められる
- 全従業員が参加して事業計画を作成する — 各部門ごとの入力プロセス設計と集約の仕組みが必要
- アイデア投稿制度を設ける — 専用ツール選定と審査・フィードバック体制が必要
- OKRによる目標のツリー可視化 — OKRツール導入と全社展開の運用設計が必要
- 全社ディスカッションの場を定期設定する — 司会・記録・アジェンダ設計の専任体制が必要
- オープン社内報の配信 — 編集チームと定期発信のコンテンツ計画が必要
期待できる効果
管理会計の情報が全社員に開示されると、「自分の仕事が会社の数字にどう影響するか」を考え始める社員が増えます。同時に事業計画の作成に参加した社員は「自分たちで決めた目標」として計画を受け取るため、達成への主体的な動きが生まれます。この「情報共有 × 参加」のセットが、組織全体の当事者意識を大きく底上げします。
セルフチェックリスト
自組織に当てはまるものがあれば、この施策を検討してみてください。
- 会社の売上や利益の状況を、一般社員が知らない
- 目標が「降りてくるもの」であり、現場が計画策定に関わった経験がない
- 「この目標は誰が決めたの?」という不満が出てくることがある
- 自分の業務の成果が会社全体の数字にどう影響しているかを説明できる社員が少ない
- 「改善したいことがある」という声が出るが、発信する場がない
- 社員が会社のビジョン・目標を「なんとなく知っている」程度で、自分の業務と結びつけられていない
- 経営層から現場への発信はあるが、現場から経営層への発信ルートがない
- 会社の課題について意見を求めると「私が言うことではない」という反応が多い
企業事例
GCストーリー株式会社では、管理会計の全社共有と全員参加の事業計画作成を実践しています。ヒエラルキー型からティール型組織への移行を進めながら、従業員一人ひとりの当事者意識を高めることを重視し、「経営数字は自分たちのもの」という感覚が組織全体に広がっています。Googleでは、毎週の全社員ミーティング「TGIF(Thanks God It's Friday)」でCEOが自社状況・開発中の製品情報を共有し、全社員からの質問に答えています。また全社・個人レベルでOKR(Objectives and Key Results)を公開・共有し、個人の仕事が全体目標にどう貢献するかを可視化しています。株式会社アトラエでは、定期的に会社の課題についてディスカッションする場を設け、創業者への質問を自由に発信できる機会を持つことで、「これは自分たちの会社だ」という当事者意識と責任感を醸成しています。