Willoopのエンゲージメントサーベイで「自分事化」のスコアが低いとき、組織では「与えられた仕事をこなすだけ」という閉塞感が漂い始めています。新規事業提案制度は、「自分がこの会社で何かを生み出している」という実感を取り戻すための最も大きな仕掛けの一つです。
こんな悩みを解決できます
社員が会社から与えられた役割をこなすことに慣れ、「自ら何かを生み出したい」という意欲が薄れている。成長意欲の高いメンバーほど「ここでは自分の力を使い切れない」と感じ始めている——そんな組織に有効な施策です。
こんなサーベイ結果の時に効果的です
Willoopのサーベイにおいて、以下の設問のスコアが低い組織に特に推奨されます。
- 「業務について自分の意思で「やりたい」という気持ちの方が、役割として「やるべき」という感情より強い」(自分事化)
- 「自分が成長する機会や環境があると感じている」(成長環境)
- 「一日の終わりに「今日やってよかった」と思うことが多い」(やりがい)
「やりたいことができない」という感覚は、自分事化と成長環境のスコアを同時に下げます。提案制度は、その「やりたい」に出口を与える仕組みです。
具体的な実行施策
- 新規事業提案制度の設立 — 年1〜2回の社内事業提案コンテスト形式でもよい。業務改善アイデアから新サービス提案まで幅広く受け付ける
- 承認プロセスの可視化 — 「提案したらどうなるか」が見えることで、出す価値があると感じてもらえる。審査基準・審査後のフィードバックを全提案者に開示する
- 定期開催のコンペ形式 — 年2回など一定のリズムで開催し、毎回テーマを絞ることで議論の深さと応募のしやすさのバランスを取る
- 挑戦プロセスの評価と称賛 — 採択の有無にかかわらず、企画・検証のプロセスを称賛・共有する。ピッチ会や中間発表で他部署からのフィードバックを取り入れる
- 経営陣によるメッセージの発信 — 「失敗してもいい、提案することが大事」という姿勢を経営が率先して示し、エントリーへの心理的ハードルを下げる
施策の優先順位の目安
すべてを実施する必要はありません。自組織の状況・予算感に合わせて、取り組みやすいものから選んでください。
- 新規事業提案制度の設立 — 応募フォームを作るだけで即日スタートできる
- 承認プロセスの可視化 — 承認フローの設計と関係者への周知が必要
- 定期開催のコンペ形式 — 審査員の選定・賞設計・運営事務局が必要
- 挑戦プロセスの評価と称賛 — 人事評価基準の改訂と全社合意形成が必要
- 経営陣によるメッセージの発信 — 経営の継続的な関与とスピーカー選定が必要
期待できる効果
「自分のアイデアが事業になるかもしれない」という可能性が生まれると、日常業務の中で「これをこう変えたら面白いのでは?」という観点が自然と生まれます。業務をこなすことが目的だった人が、「価値を作ること」を意識するようになり、当事者意識が組織全体に広がります。
セルフチェックリスト
自組織に当てはまるものがあれば、この施策を検討してみてください。
- 成長意欲の高い社員が「ここでは自分の力を使い切れない」という理由で離職している
- 現場社員からの改善提案やアイデアが出てこない
- 新しいことに挑戦できる環境が社内にほとんどない
- 新規アイデアの提案機会が一部の部署や役職に偏っている
- 成長機会はあるが、挑戦のプロセスが評価・共有されていない
- イノベーションを口にするが、現場からの企画がほとんど上がってこない
- 社員が自分のキャリアに主体感を持てていない
企業事例
株式会社リクルートホールディングスが運営する「Ring」は、社員が新規事業を提案できる制度です。新しい雑誌の発刊をはじめとして数々の事業がこの制度を通じて誕生しており、毎年500件を超える応募が集まります。「自分のアイデアで会社の未来が変わるかもしれない」という感覚が、社員のエンゲージメントを支えています。コンペ形式での取り組みでは、年2回・テーマを絞った新規事業コンペを実施したところ300名以上の応募があった企業事例も報告されています。成功・失敗を問わず挑戦そのものが組織の学習資産になることを示す事例です。